【スーツケース選び】店員、添乗員なら常識のポイント/サイズ、価格、種類、ブランドなど

旅行の必須アイテムといえばスーツケースだが、値段や種類、用途で選ぶ種類はさまざま。店員や飛行機の添乗員ならば常識のような必要最低限の知識とルールを前提に間違いのない選び方をご紹介。特に大事なのは容量とタイプ(型式)、ブランド。飛行機や鉄道といった運送事業者が定める最近のルールにも”要”注意です。

【スーツケース選び】店員、添乗員なら常識のポイント/サイズ、価格、種類、ブランドなど

スーツケースを初めて買うことも、十数年ぶりに買い直す人も、足元のルールを見直すといままでの常識とは違う今のルールがある。最新のトレンドをご紹介します。

スーツケース選びの常識とは?

スーツケース選びの常識とは?

スーツケース、トランク、キャリーの選び方

旅行の必須アイテムだがサイズや開閉方式のタイプ、材質の違いなどでいろいろな選択肢が出てくる。

例えばサイズや容量について何か決まりはあるのだろうか?

容量を示すリットルサイズで言えば、宿泊数との兼ね合いになる。概ね20ℓ刻みに判断すると分かりやすいかも。1泊あたり10ℓというのが定説だ。

 ・2~3泊 20ℓ~40ℓ

 ・3~5泊 40ℓ~60ℓ

 ・5~7泊 60ℓ~80ℓ 

 ・8泊以上 80ℓ~

航空会社の無料で預けられる限界のサイズがある。ANAサイズ、JALサイズ

ANA、JALとそれぞれに荷物サイズの上限がある

ANAJALとそれぞれに荷物サイズの上限がある

いままでそんなサイズなんてあったかな?という決まりがある。高さ、幅、奥行きの3辺の合計が…

ANA(全日空) =158㎝以下

JAL(日本航空)=203㎝以下

(重さは両社ともに23㎏以下)

という決まりがある。

これは機内持ち込みではなく、貨物室に詰め込む「預け入れ荷物」。正直、最近になって初めて聞いた基準。多少オーバーしていても見過ごされてきたようだ。ここ数年厳しくなっている”らしい”。昔は航空会社もそれほど厳しく超過料金として取っていたわけではないが、LCC(格安航空)など競争が厳しい最近の航空事情では場合によってオーバーしている時に料金が追加発生することもあるという。

JALにも荷物の決まり制限がある

JALにも荷物の決まり、制限がある

ただ、スーツケースを販売する店舗もANA基準を意識して品揃えすることも多い。購入する際には念のため「160㎝」以内を意識した方がよさそう。

なんと新幹線にも手荷物のサイズ規定がある!?

さらに地上でも手荷物の規制の波が押し寄せる。

新幹線にも手荷物の規定がある。手荷物の3辺の大きさが160㎝以上だと特大荷物スペース付きの予約が必要となる。対象は東海道、山陽、九州新幹線で2020年5月からスタートした制度だ。

事前予約すれば指定席と同じ料金だが、事前予約無く車内に特大荷物を持ち込むと1000円の追加手数料を取られる。

https://railway.jr-central.co.jp/oversized-baggage/_img/pc/bod_img_02_02.png

上の写真のように↑↑↑ここに置くことになる。特大荷物スペースで予約した座席の後ろになる。

やはりスーツケース選びは160㎝前後を意識して購入するのがよさそうだ。

分かれる開閉方式。ファスナー(ジッパー)タイプ?フレームタイプ?

スーツケースを開閉する部分の2極化が進んでいる。昔ながらの頑丈なフレームタイプと、チャックといわれるファスナー(ジッパー)タイプの2種類がある。

メリット・デメリットをひと言で整理するのならば… 

・フレーム=頑丈だが重い。

金属のフレームによって守られるためとても丈夫。荷物に衝撃が伝わりにくい構造になっている。材質も樹脂性からアルミなどさまざま。雨が降っても大丈夫。ナイフでこじ開けられそうになってもさすがに簡単には空かない。中の荷物を安全に守る防犯性の高さが強み。雨に打たれても中身が濡れにくい。

https://www.cucoo-rental.com/img/article/erabikata_04_1.jpg

・ファスナー(ジッパー)=なんと言っても軽さが特長。

普段使っているバッグ感覚で開閉できるのも魅力だ。ただ、ファスナーを想像すると分かるが布製がほとんど。ナイフで切られたらこじ開けられそうだし、雨の中運べばなんとなく分かるが中の物も濡れる可能性がある。個人的にはファスナーって何度も使えば壊れやすいという耐久性の低さもろさも感じる。

それぞれ一長一短がありそうだ。ファスナータイプはスーツケースの総重量は軽いが、フレームタイプは全体重量が重くなる。ただその軽さは丈夫さはトレードオフの関係になる。 

ちょっと意外な「マトリョーシカ」タイプ

マトリョーシカと言えばロシアの民芸品。ひとまわり小さい同じ人形が出てくる構造のおもちゃ。これをスーツケースに応用すれば、大きさの違うスーツケースが一カ所、一つ分に収まる。積層構造。

↓↓↓こんな感じです。

https://image.rakuten.co.jp/busyman/cabinet/yahoo/05375311/imgrc0067037521-.jpg

でも使うシーンに応じてあまり場所を取らず選べるのは選択肢の一つではと思う。「マトリョーシカ スーツケース」などでGoogle検索すると比較的ヒットしやすいです。

荷物の中身を守るロック方式は主に2つ

スーツケースを開け閉めする鍵。もちろんプライバシーと私物を守り、他人に勝手に中身を見られないようにするものだがタイプは大きく2種類に分かれる。

・鍵式(キーロック=物理的なカギをつかって開け閉めする方式。鍵穴に鍵を実際に差し込んで回すなどして開閉する。

・ダイヤル式=任意に設定した数字で開け閉めする。物理的なカギがいらないので記憶をなくさなければ便利に活用できる。

でも鍵式は鍵をなくすと面倒なので個人的にはダイヤル式がおすすめ。3桁タイプ、4桁タイプと様々。時間をかけて数字を合わせられてしまえば第三者にスーツケースを開けられてしまう恐れもある。あくまで簡単には開けられないようにする簡易的なロックということを念頭に、貴重品など入れずにかさばるものを入れるだけにしたほうがいい。

謎の鍵穴は何?

ロックがダイヤル式でも謎の鍵穴がある。 

TSA(米国運輸保安局)が管理するTSAロックというものがある。アメリカでは預けた手荷物で怪しいモノがあれば、所有者の許可なくTSAの職員が専用の鍵で開けられる仕組みがある。

この赤いロゴがTSAロックを示すもの

この赤いロゴがTSAロックを示すもの

恥ずかしながらYKKばりにどこかのメーカーの鍵穴?ブランド?かと思ったが、これがTSAロックに対応しているというマークとなる。

スーツケースの使い方。壊れやすいのはココ

スーツケースを使い続けるにあたり壊れやすいウイークポイントがあるため、取り扱いや選び方に注意すべきことがある。

まずはキャスター部分。

4か所のキャスターのタイヤ(車輪)はシングル、ダブルがある。ダブルの車輪のほうが安定感はある。ただ、ブランドごとに質の違いがあるため一概には言えない。最後はブランドの信頼が左右する。キャスター部が壊れる原因になるため選び方には注意が必要。安物はそれなりに壊れやすい。

https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/goodspress/cms/wp-content/uploads/2019/04/0410_regent_square_8.jpg

そしてスーツを引くキャリーの「バー」。これに関しては、通常使うときにバーを持ち上げてスーツケースを移動しないこと。キャリーバーは基本、スーツケースを引っ張る部分。階段やちょっとした段差を取っ手でなく、キャリーバーで持ち上げてしまうと負荷が集中してしまう。ちょっとした使い方が長持ちの秘訣になる。

ブランドはたくさん。日本から海外ブランドまで

 スーツケースのブランドといえば…

■国内だと

・ACE(エース)

・エンドーカバン

・シフレ

・プロテカ

・ビデオワカマツ

・グリフィンランド 

■海外ブランドでは

サムソナイト

アメリカンツーリスター

・ビータス

・グローブ・トロッター

ゼロハリバートン

・リモワ

残念ながらコロナ禍で売り場は縮小

海外観光客のインバウンドおろか国内旅行をする需要も減っているため各店舗の売り場は縮小している。最近立ち寄ったビックカメラも現物を売り次第更に縮小する見込みという。いま現物で展示品を買うのはラストチャンスかもしれない。

ビックカメラでは展示品を販売する売り尽くし品がたくさん

ビックカメラでは展示品を販売する売り尽くし品がたくさん

縮小された売り場はいずれゼロとなりネット販売が量販店の行き着く先かもしれない。

スーツケースを抱えて自由に旅行を楽しめる日が来ることを祈るばかり。 

コロナが収まり自由に旅行したい

コロナが収まり自由に旅行したい