昨年、平年の積雪情報を比較/北海道のニセコやルスツなど主要スキー場/インドで発生する異常気象の元凶とは

雪不足が心配される中、1月18日は東京都内でも雪が降った。大学入試センター試験に重なり交通機関の乱れが心配されが、さほど影響はなかった模様。

都内は雨が続いていて時折雪まじりの天気になった

都内は雨が続いていて時折雪まじりの天気になった

南岸を通過する低気圧の影響で1,500メートルの上空に-6度の寒気が流れ込んだ。実はこの低気圧の影響で雪が降ったのは関東地方が中心だったという事実が判明した。

昨年、平年の積雪情報を比較/北海道のニセコやルスツなど主要スキー場/インドで発生する異常気象の元凶とは

ヤフーが提供している雨雲レーダーの様子。降水がある場所は関東地方のみ

ヤフーが提供している雨雲レーダーの様子。降水がある場所は関東地方のみ

東京都心の初雪は1月4日で平年よりも1日遅い程度だったが、全国的には異常気象状態。気象庁は2019年12月の北日本日本海側で観測した降雪は1961年の統計開始以来で最も少なかったと発表した。歴史的に雪の少ない異常シーズンに当たってしまったようだ。今日1月20日は一年で最も寒い大寒なのに暖かいという状況。

そのため雪の恵みを必要とする新潟県などの甲信越地方をはじめ北海道や東北地方の一部は積雪のない状態が続いている。

 

■ここ一か月は降雪が少ない。北海道や東北地方、関東地方

気象庁は1月16日に2月17日まで1カ月の予報を発表した。
以前紹介した3カ月長期予報よりもより精度の高い1カ月の見通しとなる。 

気象庁 Japan Meteorological Agency

気象庁の予測では以下のような確率の分布になる。

https://www.jma.go.jp/jp/longfcst/imgs/1/rain/rain-00.png

・北海道地方
向こう1カ月の平均気温は50%の確率で「高い」と予想され気温が高い見通し。さらに北海道日本海側ニセコやキロロがある方面)は降水量は「少ない」という予報が50%の確率だった。高温で雪が少ないというスキーを楽しみにする人間にとっては非常に残念な予想になった。


・東北地方
期間の前半は「気温がかなり高くなる」見込みという注意喚起が出された。異常事態でアル。平均気温は60%の確率で高くなり、予想降水量も東北日本海側(スキー場が充実し雪国とされる地域)の降水量は少ないという予報が50%の確率となった。この1カ月は例年になく厳しい予報だ。スキー場のコンディションも改善する見通しはないのかもしれない。


関東甲信越地方
東北地方と同様に期間の前半は気温がかなり高くなる見込みという注意喚起が出ている。関東甲信越という大きなくくりのため一概にすべて同じとは言えないが、平均気温は70%の確率で高くなり、予想降水量は平年並みまたは多いという予報がそれぞれ40%ずつ。しかし、気温が高ければ雪にならず雨…ということもあり得る。

 

■最新の暖冬少雪の分析は

いまテレビなどメディアでは盛んにインド洋で起きている「インド洋ダイポールモード現象」が日本の暖冬につながっていると話題になっている。この現象、インド洋の海面水温が上昇することで上昇気流が過大に発生し、偏西風を蛇行させている。

インド洋の海水面の上昇が異常気象の一因とされている

インド洋の海水面の上昇が異常気象の一因とされている(画像はイメージ)

偏西風が日本の北を流れることでユーラシア大陸から流れる例年の寒気が南下しにくく、暖かい空気が日本本土を覆っている。


さらにこれが回りに回ってオーストラリアの深刻な森林火災につながっている。そう思うと世界は意外に小さいのかと感じてしまう。ニセコに来るオーストラリア人も今年はダブルの被害で足が遠のいでしまうのではないだろうか。

 

■気になる北海道の積雪状況

この1月に北海道のルスツに行く計画のため、北海道の積雪がどのような状況心配。各ゲレンデの1月中旬の現状を一覧にした。

ニセコニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ
現在の積雪:230㎝/一部滑走不可
昨年の比較:-20㎝ 


・ルスツ/ルスツリゾート
現在の積雪:100㎝/全面滑走可能
例年の比較:データを発見できず(昔は掲載していたのだが…)例年に比べてだいぶ少ない印象。半分ぐらい?なのではないか


・キロロ/キロロスノーワールド
現在の積雪:210㎝/一部滑走不可
例年の比較:単純比較できず


トマム星野リゾート トマム スキー場
現在の積雪:170㎝(山麓)/一部滑走不可
例年の比較:-60㎝


・札幌市周辺/札幌国際スキー場
現在の積雪:150㎝/全面滑走可能
例年の比較:データを発見できず


北海道の日本海側は比較的積雪は十分といえるが、内陸のスキー場によってはかなり厳しいところもある。札幌雪まつりは開催のため自衛隊が各地から雪を集めているという危機的な状況である。メディアでも報じられているように北海道のエリアによっては積雪が十分でない場所がある。


このまま冬型の天気が強まって欲しいところだが、今年に関してはなかなか期待できない。歴史的な雪不足中、地球温暖化を恨むしかない。

 

女優の浜辺美波さんらが出演する「JR SKISKIキャンペーン」でキャッチコピーがでているが、「この雪は消えない」…

であって欲しい。